こんにちは!尼崎の街で一畳一畳、心を込めて畳をお作りしている時友畳商店の三代目、ミツロー(光畑朋宏)です。
突然ですが、みなさんは「7月6日」に降る雨に、特別な名前がついているのをご存知でしょうか?実は、この日に降る雨を「牛車雨(ぎっしゃう)」と呼びます。
翌日の7月7日は、言わずと知れた七夕。一年にたった一度だけ、織姫と彦星が天の川を渡って会うことができる特別な日です。その前日である7月6日、彦星は愛する織姫に会いに行くために、自分が乗る牛車をピカピカに洗い流すと言われています。その洗車に使った水が、空から雨となって地上に降ってくるという、なんともロマンチックで行き届いたお話なのです。
「洗車した水が降ってくる」とだけ聞くと、少し現実的な想像をしてしまうかもしれませんが(笑)、その本質にあるのは「大切な人に最高の状態で会いたい」「相手を気持ちよく迎えたい」という、純粋で深い【相手を思いやる心】に他なりません。年に一度の逢瀬を特別なものにするために、目に見えない準備を怠らない彦星の姿勢は、私たち現代の暮らしにも通じる大切な気づきを与えてくれます。
目次
実は、私たち畳屋が尼崎を中心にお預かりする「畳替え(表替え・新調)」のご依頼も、そのきっかけの根底には、この牛車雨のような「人を思いやる気持ち」が溢れています。
「古くなったからなんとなく替える」という理由だけでなく、「来月、大切な人が我が家にやってくるから」「久しぶりに家族が集まるから、心地いい空間で迎えてあげたい」という動機が非常に多いのです。
お部屋を綺麗に整え、瑞々しいいぐさの香りで満たすこと。それは、言葉以上に雄弁な「あなたを歓迎しています」「ここでゆっくり寛いでいってくださいね」というおもてなしのメッセージになります。空間を整えるということは、お迎えする相手への最高のラブレターなのです。
ここで、先日尼崎市内のお客様からいただいた、まさに「思いやり」がきっかけとなった素敵な施工事例をご紹介します。
そのお客様は、普段はあまり使っていなかった和室の畳が随分と傷んでいることを気にしておられました。「普段使わない部屋だから」と、ついつい後回しになっていたそうです。しかしある日、遠方に住むご親戚から「万博があるから、そっちに泊まりに行ってもいい?」という連絡が入りました。
「せっかく遠くから来てくれるのに、こんなに傷んだ部屋には泊まってもらえない!」と、一念発起して当店にご相談をいただいたのです。
実際に和室を拝見すると、畳は完全に茶色く変色し、表面は毛羽立っていました。これでは座るたびにいぐさのクズが服についてしまいますし、夏場に半ズボンで座るとチクチクして不快な思いをさせてしまいます。親戚の方に快適に過ごしてもらうため、今回は「畳の表替え(おもてがえ)」を行うことになりました。
古い畳表を剥がすために畳を引き上げると、なんと畳の裏から「昭和45年(1970年)」の新聞紙が出てきました!前回の大阪万博が開催された、まさにその年の新聞です。「万博にいくから」と親戚が泊まりにくるタイミングで、55年前の万博の年の新聞が出てくるなんて、言葉にできない運命的な結びつきを感じずにはいられませんでした。
家を建ててから初めての表替えとのことでしたが、驚いたのは土台である「畳床(たたみどこ)」の素晴らしさです。その畳には、兵庫県が誇る名産地である「西播(西播磨)産」の上等なわら床(稲わらを何層にも重ねて作られた昔ながらの土台)が使われていました。
50年以上が経過しているにもかかわらず、大きな凹凸や床のへたりがほとんどありませんでした。現代の住宅では木製チップや発泡スチロールを挟んだ建材床が主流ですが、本物のわら床が持つ耐久性としなやかな踏み心地、そして調湿効果はやはり格別です。これほど上質な畳床を処分してしまうのは本当にもったいないため、今回はこの伝統あるわら床をそのまま活かし、表面のいぐさ(畳表)だけを新しく張り替える提案をいたしました。
今回の表替えでは、お部屋の印象を大きく左右する「畳縁(たたみべり)」選びにもこだわりました。もともとは伝統的な黒い畳縁がついており、格調高く上品ではあるものの、どこか厳かで重たい雰囲気を感じさせるお部屋でした。
お客様からの「派手にはしたくないけれど、お部屋全体をパッと明るい雰囲気にしたい」というご要望を受け、シンプルでありながら空間に広がりを持たせる、絶妙な色合いの畳縁をご提案させていただきました。
畳縁は、黒や茶といった定番色だけでなく、今ではモダンな無地カラーからお洒落な柄、伝統的な和柄まで、数百種類以上のデザインが存在します。畳縁を少し変えるだけで、光の入り方や部屋の広さの感じ方が驚くほど変わるのです。
職人として一畳一畳、丁寧に織り上げられた国産の高級いぐさを張り、新しい畳縁を縫い付けて和室に納品いたしました。お部屋に入った瞬間、お客様から思わず歓声が上がりました。
「部屋全体が見違えるように明るくなった!それに、このいぐさの新しい香りが本当に心地いいね」
長年まっ茶色だった和室が、瑞々しい爽やかな緑色に包まれ、新草特有の心安らぐアロマが部屋いっぱいに広がりました。何より嬉しかったのは、お客様がホッとした表情で、 「これで見劣りすることなく、親戚の皆をいつでも安心して迎えることができます。本当にありがとう」 と言ってくださったことです。ご家族の皆様も、ずっと気になっていた和室が綺麗になったことで、やきもきしていた気持ちが消え、最高の笑顔を見せてくださいました。この瞬間の笑顔に出会えるからこそ、私は尼崎で畳屋を続けているのだと、改めて深く実感いたしました。
いぐさは天然素材であり、室内の湿度をコントロールする素晴らしい機能を持っています。夏は涼しく冬は暖かく、そして寝転がった時のあの安心感は、日本人にとってかけがえのないものです。しかし、傷んで毛羽立った畳をそのままにしておくと、おもてなしの空間としては少し寂しいものになってしまいます。
「座ると服にいぐさがついてしまう」「しばらく畳の手入れをしていないな」と思われたら、それは畳からのリフレッシュのサインです。お盆や年末年始、お祝い事など、大切な人が集まる前に和室を蘇らせてみませんか?
尼崎の時友畳商店では、お客様の「誰かを大切に想う気持ち」を形にするために、10年、20年と長く愛せる本物の国産畳だけをお届けしています。お見積もりや状態のチェックは無料ですので、どうぞ安心してお気軽にご相談くださいね!
こんにちは。
尼崎市で畳専門店を営んでおります、時友畳商店のミツローです。
毎日暑い日が続きますね。
梅雨の時期は雨や曇りの日が多く、どんよりとした鉛色の空を眺めることが増えます。
そんな日が続いたあとに青空が広がると、それだけで気持ちまで明るくなったような気がしませんか?
昔から梅雨の合間の晴れ間は「五月晴れ」と呼ばれてきました。
旧暦では梅雨の時期が5月にあたるため、この名前が付いたそうです。現在では5月の爽やかな晴天を指すことが多くなりましたが、どちらにしても「青い空」は私たちの心を晴れやかにしてくれる存在ですね。
先日ラジオを聞いていると、こんな話をしていました。
実は火星では夕焼けが青く見えるそうなんです。
地球では夕焼けといえば赤やオレンジ色ですが、火星は逆。
火星の大気には非常に細かい赤い塵がたくさん舞っていて、その塵が赤い光を強く散乱させるため、夕方には太陽の周りだけ青い光が残って見えるそうです。
「同じ夕焼けでも、場所が変わればこんなに違うんだなあ」と、とても驚きました。
この話を聞いて、私はあることを思い出しました。
それは、お客様からよくいただく一言です。
畳替えが終わり、新しい畳をお部屋へ敷き込んだ瞬間、多くのお客様が驚かれます。
「えっ、畳ってこんなに青かったの!」
本当にこの言葉をよくいただきます。
普段、私たちは茶色くなった畳を見慣れています。
住み始めた頃は青かったはずなのに、毎日少しずつ色が変化するため、その変化にはなかなか気付きません。
気が付けば茶色くなり、「畳とは茶色いもの」というイメージが出来上がってしまうのです。
新しい畳は美しい青緑色をしています。
しかし、突然茶色になるわけではありません。
時間の経過とともに、
というように、ゆっくりと変化していきます。
実は、この黄金色になった頃に畳表の品質の違いがはっきり表れます。
長く育った良質ないぐさを使った畳表は、ムラのない美しい黄金色へと変化します。
一方で、短いいぐさを使った畳表では、色の変化にムラができ、バーコードのような縞模様が現れることがあります。
だからこそ、畳は新品のときだけではなく、年月を重ねた後の美しさまで考えて選ぶことが大切なのです。
さらに年月が経つと、畳の表面も傷み始めます。
座っただけでいぐさが服に付いたり、
掃除機をかけるたびに細かないぐさが取れたり、
夏に半ズボンで座るとチクチクしたり…。
このような症状が出てきたら、畳からの「そろそろ替え時ですよ」というサインかもしれません。
見た目だけでなく、畳そのものが少しずつ寿命を迎えているのです。
先日のお客様も、
「畳の部屋で洗濯物をたたむと、服にいぐさが付いてしまうんです。」
とご相談くださいました。
お話を伺うと、お住まいになって20年以上。
毎日家族を支えてきた畳ですから、傷んでくるのも当然です。
以前から気にはなっていたそうですが、
「まだ使えるかな。」
「そのうち替えよう。」
と思いながら、なかなか踏み切れなかったそうです。
そして思い切って表替えをした日。
新しい畳を見た瞬間、
「畳ってこんなに青いの!」
と驚かれました。
さらに続けて、
「畳のいい香りがするわ。今日はぐっすり眠れそう。」
とうれしい言葉までいただきました。
私たち畳屋にとって、この瞬間が一番うれしい時間です。
畳替えをすると、お部屋全体が明るくなります。
いぐさの爽やかな香りが広がり、空気まできれいになったように感じます。
そして何より、ご家族の皆さんが笑顔になります。
「もっと早く替えればよかった。」
そう言われるお客様も少なくありません。
もし、
このような状態でしたら、一度畳の状態を確認してみませんか?
新しい畳の青さと、いぐさの心地よい香りは、きっと想像以上です。
火星の青い夕焼けに驚いたように、新しい畳を見たときもきっと、
「畳ってこんなに青いの!」
という感動が待っているかもしれません。
尼崎市で畳の表替え・新調をご検討の際は、地域密着の時友畳商店までお気軽にご相談ください。
お部屋の状態やご予算に合わせて、最適な畳をご提案いたします。
こんにちは。
尼崎市で畳の張り替え・新調をしている時友畳商店、畳屋のミツローです。
今年の夏も「過去最高の暑さ」なんてニュースを耳にする機会が増えていますね。
外へ出るだけで汗が噴き出し、少し歩いただけでも疲れてしまうほどの暑さです。
そんな中、今年は麦わら帽子が再び注目されているそうです。
以前は日傘を使う人が多かったのですが、日傘はどうしても片手がふさがってしまいます。
買い物袋を持てば両手がいっぱいになり、スマホを操作することも難しくなります。
そこで改めて見直されているのが麦わら帽子です。
麦わら帽子には、
・通気性が良い
・軽くて疲れにくい
・紫外線を防いでくれる
・両手が自由になる
というメリットがあります。
さらに最近では、おしゃれなリボン付きのデザインやメンズ向け、旅行に便利な折りたたみタイプまで登場し、機能性だけでなくファッションアイテムとしても人気を集めています。
一度は時代遅れと思われた天然素材が、改めてその良さを評価されているわけです。
実は、この話を聞いたときに私は「畳とよく似ているな」と思いました。
畳も麦わら帽子と同じように、自然の素材から作られています。
い草には湿度を調整する働きがあります。
夏場のジメジメした日は湿気を吸い、冬場など乾燥しているときには湿気を放出してくれます。
この働きのおかげで、畳の部屋はフローリングよりも空気がやわらかく感じられ、「なんだか涼しい」と感じる方が多いのです。
エアコンの設定温度は同じなのに、畳の部屋のほうが快適に感じるというお客様も少なくありません。
天然素材だからこそ生まれる心地よさは、人工的な素材ではなかなか再現できない魅力です。
とはいえ、湿気を吸ってくれるからといって、そのまま放っておくのはよくありません。
湿気をたくさん吸った状態が続くと、カビの原因になることがあります。
そこで大切なのが換気です。
晴れた日には窓を開けて風を通し、部屋の空気を入れ替えてあげましょう。
これだけでも畳の状態はずいぶん変わります。
除湿機やエアコンの除湿運転を上手に利用するのもおすすめです。
畳は呼吸しています。
だからこそ、人と同じように新鮮な空気を取り入れることが大切なのです。
麦わら帽子にはリボンや飾りを付けて楽しむ人が増えています。
実は畳にも同じような楽しみ方があります。
それが畳ベリです。
昔は緑色や茶色の和風デザインしかないイメージでしたが、今では種類が本当に豊富になりました。
・伝統的な和柄
・花柄
・モダンなデザイン
・シンプルな無地
・かわいらしい色合い
・落ち着いた高級感のある柄
など、数多くの中から選ぶことができます。
時友畳商店では、実際の見本をお客様のお宅までお持ちし、その場でお部屋に合わせながら選んでいただいています。
すると多くのお客様が、
「えっ!こんなに種類があるんですか!」
と驚かれます。
畳ベリが変わるだけでも、お部屋の印象は大きく変わります。
せっかく畳替えをするなら、自分らしい一枚を選ぶ楽しさも味わっていただきたいですね。
最近は和室がない住宅も増えました。
そのため、
「うちは畳の部屋がないから関係ない。」
という方もいらっしゃいます。
でも実はそんなことはありません。
畳はフローリングの上にも敷くことができます。
リビングの一角に置き畳を並べれば、小さなお子さんが遊ぶスペースや、お昼寝スペースとして大活躍します。
また、洋室の寸法に合わせてオーダーメイドで製作すれば、一部屋まるごと畳の部屋にすることも可能です。
畳は一枚一枚、お部屋の寸法に合わせて製作するため、隙間なくきれいに納めることができます。
既製品では味わえない、ぴったり納まる気持ちよさも畳ならではです。
麦わら帽子が再び人気になっているように、本当に良いものは時代が変わっても見直されます。
天然素材には、長い年月をかけて受け継がれてきた理由があります。
畳もその一つです。
見た目の美しさだけではなく、湿度を調整し、香りで心を落ち着かせ、足触りがやさしく、寝転がれば思わず深呼吸したくなる。
そんな魅力を持っています。
今年の夏は、ぜひ畳の上でゴロンと横になってみてください。
エアコンの風だけでは味わえない、い草の香りと天然素材ならではの心地よさを感じていただけると思います。
尼崎市周辺で畳の張り替え・表替え・新調・置き畳・和室リフォームをご検討の方は、時友畳商店までお気軽にご相談ください。
お部屋やご予算、ご希望に合わせて、一番ぴったりな畳をご提案いたします。
「部屋に入るところの畳だけ傷んできたから、別の場所の畳と入れ替えたら長持ちするかな?」

お客様から時々こんなご相談をいただくことがあります。
しかし、実は畳は家具のような既製品ではありません。
一枚一枚が、そのお部屋のためだけに作られたオーダーメイド品なのです。
そのため、傷んだ畳を別の場所と入れ替えることはおすすめできません。
今回は、なぜ畳を勝手に入れ替えてはいけないのか、そして畳の傷みが教えてくれる「替え時」についてお話します。

畳は工場で同じ大きさに大量生産されているわけではありません。
和室を採寸すると、実は同じ六畳間でもすべての畳が同じ寸法とは限りません。
昔の家はもちろん、新しい家でも壁のわずかな違いや柱の位置によって、数ミリから数センチ程度の違いがあることもあります。
そのため畳屋は、お部屋を丁寧に採寸し、その場所に合った畳を一枚ずつ製作しています。
つまり、
「この畳はこの場所」
「あの畳はあの場所」
というように、最初から敷く位置が決まっているのです。
畳は寸法だけでなく、敷く向きも決まっています。
畳表の目の向きや光の当たり方によって、同じ色の畳でも見え方が変わります。市松模様のように見えるのも、畳の向きを交互に敷いているからです。
もし別の場所へ移動させてしまうと、
・隙間ができる
・段差ができる
・畳が浮いてしまう
・見た目のバランスが崩れる
といった問題が起こることがあります。
無理に押し込んでしまうと畳を傷める原因にもなります。

和室の入り口付近の畳だけが傷んでいることがあります。
これは決して異常ではありません。
人は毎日同じ場所を歩きます。部屋へ入る時も出る時も、同じ畳を踏むため、その部分だけが先に擦り切れてしまうのです。
毛羽立ちが目立ったり、色が変わったり、ささくれが出てきたりすることがあります。
「ここだけ傷んだから別の場所の畳と交換しよう」
と思われるかもしれませんが、その畳が傷んだということは、そのお部屋全体の畳が年月を重ねている証拠でもあります。
入り口の畳が傷んできたら、それは畳からのサインかもしれません。
畳表が擦れてきたり、色が茶色くなったり、い草が服についたりするようになれば、表替えを検討する時期です。
表替えとは、畳床はそのまま使い、表面の畳表と畳縁を新しく交換する工事です。
新しいい草の香りが戻り、お部屋全体が明るくなります。
「まだ使えるからもう少し我慢しよう」
と思われる方も多いのですが、傷みが進みすぎると畳床まで悪くなり、表替えではなく新調が必要になる場合もあります。
早めのメンテナンスは、結果的に費用を抑えることにもつながります。
畳は毎日踏まれ、座られ、寝転び、家族の時間を支えてくれています。
だからこそ、入り口の畳が傷んできたということは、その畳がしっかり役目を果たしてきた証拠です。
無理に他の場所の畳と入れ替えるのではなく、
「そろそろ替え時かな?」
と考えてみてはいかがでしょうか。
畳は部屋に合わせたオーダーメイドです。
一枚一枚に決まった場所があり、その部屋のために作られています。
もし入り口の畳が傷んできたら、それは畳からのメッセージかもしれません。
和室をこれからも気持ちよく使うために、一度畳の状態を確認してみてください。
表替えをすることで、い草の香りとともに、まるで新しい部屋のような心地よさが戻ってきます。