こんにちは。
尼崎の畳屋のミツローです。
最近、テレビで時代劇を見る機会が本当に少なくなりました。
私が子どもの頃は、ゴールデンタイムになると毎日のように時代劇が放送されていました。
勧善懲悪のストーリーで、最後は悪い人が懲らしめられ、一話完結なので途中から見ても楽しめるのが魅力でした。
特に毎週月曜日の夜8時から放送されていた「水戸黄門」は欠かさず見ていました。
西村晃さんが黄門様、格さんが伊吹吾郎さん、助さんがあおい輝彦さんだった頃がとても印象に残っています。
今では時代劇そのものが少なくなりました。
理由の一つは制作費です。
俳優さんは全員かつらを着け、着物を身にまとい、昔の町並みを再現したセットまで必要になります。
現代ドラマと比べると、どうしても制作費が高くなってしまうそうです。
そんな時代劇の撮影で有名なのが京都の太秦映画村。
私も中学1年生の遠足で訪れた思い出があります。

時代劇を見ていると、浪人や虚無僧が深くかぶっている大きな笠がありますよね。
顔をすっぽり隠す、あの茶色い笠です。
「何でできているんだろう?」
そう考えたことはありますか?
実は、あの笠の多くはいぐさで作られています。
畳の材料として知られるいぐさですが、昔は生活用品にも数多く利用されていました。
新品のいぐさは爽やかな香りがします。
出来たばかりの浪人笠も、きっと畳のようないい香りがしていたのでしょう。
ドラマに出てくる茶色く色あせた笠は、長い年月使い込まれた証拠。
そう考えると、時代劇を見る目も少し変わってきますね。
水戸黄門や大岡越前、遠山の金さん。
いよいよ悪人を裁く、あの名場面。
どうしてもセリフや演技に目がいきますが、後ろの襖に描かれている柄を覚えていますか?
四角が連続してつながったような模様です。
この柄は**「紗綾型(さやがた)」**と呼ばれる、日本の伝統文様です。
中国・明の時代から伝わった高級絹織物「紗綾(さあや)」に使われていたことから、この名前が付けられました。
卍の形が途切れることなく続くことから、
そんな願いが込められた縁起の良い吉祥文様です。
日本人が古くから大切にしてきた「縁起」を表す柄なのです。

実は、この伝統文様は畳にも受け継がれています。
畳のヘリ(畳縁)には、紗綾型を地模様として織り込んだデザインがあります。
遠くから見ると無地に見えますが、光の当たり方によって上品に柄が浮かび上がります。
派手すぎず、それでいて高級感があるため、
「落ち着いた和室にしたい」
「昔ながらの雰囲気を残したい」
というお客様には、とても人気があります。
和室の雰囲気を壊すことなく、品のある空間に仕上がるのも魅力です。
畳は表替えをするだけでなく、畳縁を選ぶ楽しさもあります。
同じ畳表でも、畳縁が変わるだけで部屋の印象は驚くほど変わります。
先日施工させていただいたお客様も、

「お盆に家族や孫が集まるので、それまでに畳をきれいにしたい。」
というご依頼でした。
小さなお孫さんがいるので、
「食べ物をこぼしたり、寝転んだりするから、きれいな畳で迎えてあげたい。」
そんな優しいお気持ちでした。
畳は家具ではありません。
家族が座り、寝転び、笑い合い、思い出を作る場所です。
だからこそ、お客様のその言葉を聞いて、とても温かい気持ちになりました。
畳を新しくすることは、部屋をきれいにするだけではありません。
家族を気持ちよく迎え、おもてなしの心を形にすることでもあります。
時代劇に登場する浪人笠や、日本の伝統文様である紗綾型など、日本人の暮らしには昔からいぐさや畳が深く関わってきました。
今も変わらず、その心地よさや美しさは受け継がれています。
今年のお盆は、きれいになった畳でご家族を迎えてみませんか。

お盆前の畳替えは、まだ間に合います。
尼崎市を中心に畳の表替え・新調・裏返しのご相談を承っています。
「お盆までに間に合うかな?」
そんな方も、まずはお気軽にご相談ください。
ご家族みんなが気持ちよく過ごせる和室づくりを、心を込めてお手伝いさせていただきます。